📖 はじめに

Coldcard を真のコールドウォレットとして使うためのステップバイステップ・トレーニングです。Testnet を用いた安全な実践練習から、万一ハードウェアウォレットを紛失した際の復元手順までカバーします。

🔰 Coldcard 起動直後のフロー

電源ON（USBケーブルは不要、単体起動）
Device PIN を入力
画面に表示される Anti‑Phishing Code Words を確認 → 自身の端末であることを検証
（パスフレーズ設定済みの場合）
- メインメニュー → Settings → Passphrase → Edit Phrase
- パスフレーズを入力 → Apply
- 「Passphrase applied」と表示されたら成功

※ パスフレーズ未設定ならそのままメインメニューへ

💻 PC環境

Sparrow Wallet（Testnet モード）インストール済み

以下、**Coldcard＋Sparrow Wallet（Testnet）を使った「体系的トレーニングメニュー」**を作成しました。各モジュールごとに「目的」「手順概要」「期待される成果」「所要時間（目安）」を示しています。

🗂 トレーニング全体概要

モジュール	目的	手順概要	成果物・確認事項	所要時間
① デバイス起動＆ウォレット確認	Coldcardが正しく起動し、正しいウォレットがロードされることを習得	電源ON → PIN → Anti‑Phishing → Passphrase適用 → Wallet fingerprint確認	正しい Wallet ID（Fingerprint）を表示	5分
② Watch‑Only ウォレット作成	Sparrow上でColdcardの公開情報のみ管理する設定を体得	Coldcardから XPUB → Sparrow にインポート	Sparrowにアドレス一覧（Receive/Change）が表示	10分
③ 受信フロー実践	Testnetコイン受信〜残高反映を確認	Coldcard → Receive → Address取得 → Faucet送金 → Sparrowで残高確認	Sparrow・Coldcard両方で残高一致	10分
④ PSBT 署名＋送信	オフライン署名→ブロードキャスト手順を習得	SparrowでPSBT作成 → microSD経由でColdcard署名 → SparrowでBroadcast	Testnet TXIDを取得しExplorerで確認	15分
⑤ Change Output確認	送金後のChangeアドレス挙動を理解	少額送金→Change出力生成→SparrowでChange残高確認	ChangeアドレスがColdcard生成アドレスである	10分
⑥ Passphrase（隠しウォレット）	パスフレーズ付きウォレットの作成・運用を練習	ColdcardでEdit Phrase適用→XPUB再インポート→受送金	Sparrowに隠しウォレットが別表示される	15分
⑦ Seed Recovery Drill	SeedフレーズからColdcardウォレットを再構築できることを検証	別ColdcardまたはエミュレータでRecover Wallet実行	Fingerprint一致	20分
⑧ エラーパターン検証	PIN・Passphrase・PSBT誤操作時の挙動確認	誤PIN入力／誤Passphrase／改ざんPSBTで署名試行	期待通り拒否されること確認	10分
(任意) ⑨ Multisig PSBT	Coldcardをマルチシグ構成の一要素として利用	Sparrowで2of3マルチシグ作成→Coldcard署名	正常にTX完了	30分

📋 準備物チェックリスト

Coldcard本体＋microSD
Sparrow Wallet（Testnetモード）インストール済みPC
インターネット接続（Testnet Faucet・Explorer用）

Coldcard + Sparrow Wallet 総合トレーニング＆復元ガイド (Testnet)

📖 はじめに

本教材は Coldcard を真のコールドウォレットとして使うためのステップバイステップ・トレーニングです。Testnet を用いた安全な実践練習から、万一ハードウェアウォレットを紛失した際の復元手順までカバーします。

📋 前提条件

Coldcard 本体＋microSD
Sparrow Wallet（Testnet モード）をインストール済みPC
インターネット接続（Testnet Faucet、Explorer用）
Device PIN、Seed phrase、Anti‑Phishing code words、Passphrase（設定済み）

📑 目次

デバイス起動 & ウォレット確認 (5分)
Watch‑Only ウォレット作成 (10分)
受信フロー実践 (10分)
PSBT 署名 + 送信 (15分)
Change Output 確認 (10分)
Passphrase（隠しウォレット）運用 (15分)
Seed Recovery Drill (20分)
エラーパターン検証 (10分)
Optional: Multisig PSBT (30分)
🚨 紛失時の復元手順 (最重要)

1️⃣ デバイス起動 & ウォレット確認

目的

Coldcard が正しく起動し、期待するウォレットがロードされることを確認

手順

Coldcard に microSD を挿入せず電源ON
Device PIN を入力
表示された Anti‑Phishing code words を確認 → 自端末であることを検証
Passphrase 設定済みなら：メニュー→Settings→Passphrase→Edit Phrase→入力→Apply
Main Menu → Info → Wallet Fingerprint をメモ

確認項目

PIN入力後に Anti‑Phishing code words が合致
Fingerprint が記録済みと同一

2️⃣ Watch‑Only ウォレット作成

目的

Coldcard の公開情報(XPUB)を Sparrow にインポートし残高確認だけ行う

手順

Coldcard Main Menu → Advanced → Export → XPUB (Testnet)
microSD へ保存 → PC に移動
Sparrow → File→New Wallet→Import Coldcard XPUB → Testnet選択

成果

Sparrow に Receive/Change アドレス一覧が表示される

3️⃣ 受信フロー実践

目的

Testnet コインの受信・残高反映を体得

手順

Coldcard → Receive→Show Address→アドレス表示（例: tb1q...）
Testnet Faucet (https://testnet-faucet.mempool.co/) へアドレスを入力→送金依頼
Sparrow→Balances タブで残高確認

4️⃣ PSBT 署名 + 送信

目的

オフライン署名→Broadcast の流れ習得

手順

A) Sparrow で PSBT 作成

New Transaction→Recipient に任意 Testnet アドレス→Export PSBT

B) Coldcard 署名

Coldcard→Sign Transaction→microSD→unsigned.psbt→署名→signed.psbt

C) Sparrow で Broadcast

Load PSBT (signed.psbt)→Review→Broadcast→TXID を確認

🔟 🚨 紛失時の復元手順 (最重要)

目的

Seed phrase＋Passphrase からウォレットを完全復元できることを確認

必要物

新しい Coldcard または Coldcard Emulator
Seed phrase 紙 (正確に記録済み)
Passphrase
事前にメモした Wallet Fingerprint

手順

新 Coldcard 起動→Menu→Advanced→Recover Wallet
Seed phrase を入力→Next
Passphrase を入力 (設定済みなら)
再起動後 Info→Wallet Fingerprint が一致することを確認
Sparrow に XPUB を再インポート→残高・アドレスが一致

注意事項

Seed phrase は複数コピーで別場所保管
Passphrase は覚えやすく、他人に推測されないものを選択
定期的にリカバリードリルを実施して慣れておく

✅ この後の推奨練習順序

①→②→③→④→🔟 を一連で実行し、ウォレット運用と復元フローを完全習得

🔄 Sparrow Wallet 再インストール時の対応

概要

Sparrow Wallet は Coldcard の公開情報（XPUB）を使ったウォッチオンリーウォレットです。再インストール時にはColdcard から XPUB を再取得して再インポートするだけで、残高・アドレス履歴を完全に復元できます。

手順

Sparrow Wallet をアンインストール／新規インストール
Sparrow を起動 → File → New Wallet → Import → Coldcard を選択
方法 A: microSD 経由でインポート
- Coldcard → Advanced → Export → XPUB (Testnet) → microSD へ保存
- microSD を PC に挿入 → Sparrow のインポート画面で XPUB ファイルを選択
方法 B: USB 直接接続でインポート
- Coldcard を PC に USB‑C ケーブルで接続
- Coldcard で PIN を入力 → Anti‑Phishing 確認 → Passphrase 適用（必要時）
- Sparrow → File → New Wallet → Import → Coldcard (Device)
Network を Testnet に設定 → Wallet fingerprint とアドレス一覧を確認
「Balances」タブで残高が表示されることを確認

注意点

秘密鍵は Coldcard にのみ存在 → Sparrow の再インストールで秘密鍵漏洩リスクなし
Sparrow のウォレット設定ファイル（.sparrow）はバックアップ推奨（取引ラベルや設定を保存）
Passphrase を変更した場合は、Coldcard から新しい XPUB をエクスポートし、Sparrow 上のウォレットを更新すること

✅ この後の推奨練習順序

①→②→③→④→🔟 を一連で実行し、ウォレット運用と復元フローを完全習得